おすすめ漫画10選(既完結作品編)

はばたくキツネさんの下記エントリが面白かったので書いてみました。

foxnumber6.hatenablog.com

おすすめ漫画っていうかお気に入り漫画だ。

1. 『サムライガン熊谷カズヒロ (全7巻)

  

 現在は巌窟王リメイクの『モンテ・クリスト』ヤングジャンプで連載中の熊谷カズヒロ先生の作品。アニメも深夜枠でひっそり事故ったのでご存知の方も多いかもしれません。内容としては、蒸気機関の発達したスチーム・パンクな幕末でオートマチックな連発銃を装備したサムライガンがいわゆる必殺仕事人をやるという分かり易いもの。 

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 スチームパンクなので蒸気機関で動くガトリング砲や多脚戦車、スーパーコンピューターもでるよ!帯で藤子不二雄だかなんだかが褒めてたアクション描写と蒸気機関の書き込みが本当に素敵な作品です。エロやらライトな拷問描写はあるので女性はダメかもしれん。あと同時進行で連載してたサムライガン月光はやめたほうがいい(助言)
 

2.『こいつら100%伝説岡田あーみん(全3巻)

 

 間違いなく「りぼん」が誇る最高傑作。他に語る言葉もなし。

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 私の言語感覚や笑いのセンスはこれとお父さんは心配性を起源にしています。
 

3.『切法師』中島 諭宇樹 (全2巻)

 

 切法師の少年倫太郎が「鬼」を退治しながら旅をするお話。主人公のそれもさることながら敵の動かし方でアクション描写の上手さがビシビシ伝わる作品。絵を見てて楽しくなる。下の雲泥児の蹴りなんか見て頂けると、重量感と俊敏さを兼ね備えた大猿の動きを少ない線で表現されていることがお分かり頂けると思います。この人絵がうまい。

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 主人公も斜に構えた所もない古き良き素直な少年です。説得力ある優しさ!優しさから生まれる鬼を屠ることへの葛藤!王道オブザ王道!グランバガン!カイゼルスパイク!ロケットで突き抜けろ!これ切ったジャンプは何考えてるのかわかんねえよなあ?
 

4. 『PYREN -サイレン-』  岩代俊明  (全16巻)

  

 逆にジャンプの王道から外れながら突っ走ったのに円満完結した名作。主人公の夜科アゲハは不思議なテレホンカードの導きで命を賭けた胃世界でのデス・ゲームに招聘されるのだ…と言う内容だったはずなのですが、中盤以降は王道能力者バトルに移行します。さすがジャンプ。しかし岩代先生は登場するこの能力者バトルの描き方が上手かった。劇中(ほぼ)最高火力の能力を主人公に最初に与えながら、その制御方法を工夫する等々ありそうでなかった展開が随所に見られる作品です。

 台詞回しも非常に良い。「限界なんてものは超えるためにあるんだ…」と悪役に言わせてみたり、敵側に完堕ちしたようにしか見えない風貌の味方が「堕ちる所まで堕ちた…あとは昇り詰めるのみ」と更に敵を吸収して禍々しくなったり、既存のものをちょっとずつズラして面白さを出すというのが本当に上手い漫画。

 ちなみに最近の子ってテレカって分かるんですかね。
 

5. 『フリージア松本次郎 (全12巻)

  

 「敵討ち法」が施行された近未来を舞台とした敵討ち代理人、叶ヒロシと執行対象者、それを取り巻く関係者の群像劇。基本的には主人公をはじめとするメンヘラの方々がより良い方向へと努力するも徐々に転落していく様を描くという流れになるんですけど、特に詰め将棋のように主人公が破滅に向かっていく10巻からの流れが秀逸。現在連載中の女子攻兵もそうですけど、独特のアクションの描き方もおもしろいですね。2巻〜3巻の対「幽霊」戦の緊迫感が良い。

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 ↑アル中の岩尾ヒサエ女史、好き。ちなみに玉山鉄二(ガオシルバー)がこれの映画をやっていて主人公のヒロシをもの凄く好演されてたんですけど、ストーリーが改悪されていて大変なことになっていました。多分『「このなんちゃら、なまぬりい」(公務員 2X歳)』とかいう帯をつけるという残虐非道な売り方や、某ヴァンガードで取り扱われたとかが不幸の遠因だと思う。ほんとうにやめてほしい。

 割と「生きるために仕事をする」というテーマ部分については女子攻兵でも継続しているような気もするので、SF好きであればあちらを読めば足りるかもしれない。

6. 『BAROQUE -欠落のパラダイム-』上田信舟

 

  墓まで持って行きたい完璧なコミカライズ。セガサターンで発売されていたSTiNGの名作シレンRPG『BAROQUE』を魔神転生女神異聞録ペルソナGファンタジーでコミカライズされていた上田先生が手がけた作品(ちなみにどっちも面白いです)。何より分かり難かった本編ストーリーがほぼ完璧に補填されていて素晴らしい。ゲームをやった方には間違いなくおすすめですが、普通に読んでも面白いと思う。でも今更手に入らないとも思う。(Gファンタジーの廃刊ものはクッソ手に入り難い。白のテンペスト復刊してくれよ〜頼むよ〜)
 

7. エクゾスカル零 山口貴由(全8巻)

   

 ご存知『覚悟のススメ!』葉隠覚悟以下6人の冷凍睡眠させられていた元ヒーローが最早手の施しようのない滅びの時代に再生され葛藤するお話。若先生は連載中かなりお悩みなられたとのことですが、過去のやり方が通用しなくなるという時代の変遷に対してどうアプローチして行くかという普遍的なテーマは一貫されており、ラストも納得感あるものに収まっています。秀作。あまり良い評価されてなさそうなんですけど、個人的には「ススメ」より好きなので挙げときます。あとコレに出た強化外骨格のおもちゃ、全部欲しい。
 

8. スクライド  戸田 泰成 (全5巻)

   スクライド 第5巻 (少年チャンピオン・コミックス)

 原作よりネタに突っ走ってるけど抑えるべき所は抑えてるんで、スクライド好きな人は読んで欲しいみたいな作品。アニメありきなのかな、単品で読んだら全然感想が変わるかもしれん。
 

9. ジョジョの奇妙な冒険 第6部 荒木飛呂彦 (全17巻)

  

  ジョジョはまあ鉄板なんでしょうけど、やっぱり何度読み返しても6部が一番好きなので列挙。もういい加減ストーリも知れ渡っているので詳細は省きますが、まともにやったら絶対勝てない相手にみんなでバトンを繫いで勝つっていうのがほんと好き。最期のウェザー・リポートをバックに見栄を切るエンポリオは相当格好良いし、エルメェスの過去との決着もアツいし、対サバイバーの時の徐倫はめっちょ男前。もし女性主人公だということで嫌厭されているようでしたら勿体ないということでひとつ。

10. さんさん録 こうの史代 (全2巻)

 

 男やもめになったさんさんが亡くなった妻おつうのノートを頼りに家事を通じて息子一家と親交を温めたり、新しい恋を見つけたりするお話。さんさん、おつうさんが生きてた頃には家事はやってなかったようだけど、この人基本的に器用ですよね。私はロマンチストなので、こうの史代作品では今の所一番好きです。

 一応順列はつけてますが意味はない感じで、ほぼ同列一位です。トライガンヘルシングヨルムンガンドあたりはもう語り尽くされていそうなので除外。Pon!とキマイラあたりは書けば良かったかもしんない。

 続刊中のものについては記事を改めて紹介したいと思ってます。